



数年前、病気で入院し、手術を受けたことがありました。
決して大きな手術ではなく、入院から一週間ほどで退院することができました。期間だけを見れば、それほど長い入院ではありません。それでも、病室で過ごした一週間は、当時の自分にはとても長く感じられました。
その間、何度も頭に浮かんだことがあります。
今回は幸運にも、一週間ほどで回復し、家に帰ることができる。けれど、もしこのまま治らなかったら。もし人生が突然終わるとしたら、自分は何をいちばん後悔するのだろう。
その問いに対して、真っ先に浮かんだ答えが「音楽」でした。
かつて、音楽は自分にとってかけがえのないものでした。しかし、社会人になり、家庭を持ち、日々のさまざまな責任に追われるなかで、いつしか音楽から遠ざかっていました。これまでに書きためてきた曲や音楽の断片も、完成させられないまま、長いあいだ眠っていました。
退院後、私はそれらの曲やアイデアを少しずつ見直し始めました。過去に書いたものを整理し、今でも心から納得できる曲を選び、もう一度形にしていく。その作業が、このEPの始まりとなりました。
制作を進めるなかで、幸運にもYUHKIさんと出会うことができました。思うように進まず迷っていた時期にも、音楽的なアドバイスや励ましをいただき、それが制作を続ける大きな力になりました。
その後、大学時代に知り合い、現在はプロのヴォーカリストとして活躍しているEvolinにも声をかけました。長いあいだ連絡を取っていなかったにもかかわらず、彼女は快く参加を引き受けてくれました。
こうした方々の支えに恵まれ、作曲、アレンジ、レコーディング、そして仕上げまで、およそ二年の時間をかけて、ようやくこのEPを完成させることができました。
このプロジェクトは、ひとつの気づきから始まりました。
音楽を「かつて好きだったもの」のまま終わらせたくない。もう一度、自分の人生の一部として取り戻したい。
Greed Fandangoは、そんな思いから生まれたプロジェクトです。


